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大阪地方裁判所 昭和62年(わ)96号 判決 1988年3月07日

国籍

韓国(慶尚南道宣寧郡富林面新反里)

住居

大阪府東大阪市立花町一番三五号

会社役員

太田康博こと

朴永鐘

一九三〇年九月九日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官長谷川充弘出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年二月および罰金一億円に処する。

右罰金を完納することができないときは金二〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、大阪府東大阪市立花町一番三五号などにおいて「関西熱処理」及び「関西螺子製作所」の名称で金属加工及び金属部品製造業などを営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て

第一  昭和五七年分の総所得金額が一八三、〇四一、八四八円(別紙(一)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が、一一六、五五〇、〇〇〇円であるにもかかわらず、会計帳簿を整備せず、決算書類も作成しないまま、いわゆる「つまみ申告」により過少な所得金額による内容虚偽の所得税確定申告書を作成するなどの行為により、その所得の一部を秘匿した上、同五八年三月一五日、大阪府東大阪市永和二丁目三番八号所在の所轄東大阪税務署において、同税務署長に対し、同五七年分の総所得金額が三、六五〇、〇〇〇円で、これに対する所得税額が二八〇、〇〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出しそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税一一六、二七〇、〇〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)を免れ

第二  同五八年分の総所得金額が二一一、一三六、六四九円(別紙(三)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が一四〇、〇四五、〇〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同五九年三月一五日、前記東大阪税務署において、同税務署長に対し、同五八年分の総所得金額が三、八〇〇、〇〇〇円で、これに対する所得税額が二九六、〇〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出しそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税一三九、七四九、〇〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)を免れ

第三  同五九年の総所得金額が二〇三、八九四、八五六円(別紙(四)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が一二六、一〇五、九〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同六〇年三月一五日、前記東大阪税務署において、同税務署長に対し、同五九年分の総所得金額が三、九六五、〇〇〇円で、これに対する所得税額が三〇一、二〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出しそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税一二五、八〇四、七〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  収税官吏作成の被告人に対する各質問てん末書

一  朴鐘根、橋長幸子および金秀雄の検察官に対する各供述調書

一  収税官吏作成の朴鐘根(三通)及び橋長幸子(二六通)に対する各質問てん末書

一  収税官吏作成の各査察官調査書(昭和六一年二月二〇日付、昭和六〇年一二月二七日付、昭和六一年一月二九日付、同月二二日付、同年二月二五日付、同年一月二八日付(検察官請求証拠目録番号23のもの、以下番号23と略記する)、同月七日付、同月三〇日付、同年二月一〇日付、同月一四日(番号27)、同月一九日付、同月五日付(番号29)、同年一月一三日付、同月一八日付(番号31)、同年二月一二日付、同月一四日付(番号33、37、38、39)、同月一五日付同月一四日付(番号41)

判示第一の事実につき

一  収税官吏作成の昭和六一年二一日付、同年一六日付、同年二月二四日付各査察官調査書

一  東大阪税務署長作成の証明書(一)、(四)(所得税確定申告書写添付)

判示第一、第二の各事実につき

一  収税官吏作成の昭和六一年一月二八日付(番号12)、同月七日付、同年二月八日付各査察官調査書

判事第二の事実につき

一  収税官吏作成の昭和六〇年一二月二〇日付、昭和六一年二月一三日付、同月五日付(番号43)、各査察官調査書

一  東大阪税務署作成の証明書(二)、(五)、(所得税確定申告書写添付)

判示第二、第三の各事実につき

一  収税官吏作成の昭和六一年一月三一日付、同年二月三日付、同年一月一八日付(番号19)、同年二月一七日付(番号36)各査察官調査書

判事第三の事実につき

一  東大阪税務署長作成の証明書(三)、(六)(所得税確定申告書写添付)

(法令の適用)

判示各所為 所得税法二三八条一項、二項

(いずれも懲役刑と罰金刑を併科)

併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項

(懲役刑については犯情の最も重い判示第二の罪の刑に加重)

労役場留置 刑法一八条

(裁判官 七沢章)

別紙(一)

修正損益計算書

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

(総所得金額)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

(事業所得)

<省略>

別紙(一)

修正損益計算書

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

(不動産所得)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

(利子所得)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

(雑所得)

<省略>

別紙(二)

税額計算書

<省略>

別紙(三)

修正損益計算書

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

(総所得金額)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

(事業所得)

<省略>

別紙(三)

修正損益計算書

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

(不動産所得)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

(利子所得)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

(雑所得)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

(総合短期譲渡所得)

<省略>

別紙(四)

修正損益計算書

自 昭和59年1月1日

至 昭和59年12月31日

(総所得金額)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和59年1月1日

至 昭和59年12月31日

(事業所得)

<省略>

別紙(四)

修正損益計算書

自 昭和59年1月1日

至 昭和59年12月31日

(不動産所得)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和59年1月1日

至 昭和59年12月31日

(利子所得)

<省略>

修正損益計算書

自 昭和59年1月1日

至 昭和59年12月31日

(雑所得)

<省略>

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